任意整理後の生活はどう変わる?注意点や影響を解説

任意整理後の生活はどう変わる?注意点や影響を解説
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任意整理後の生活の変化について

任意整理は借金の利息カットや減額により、毎月の返済額を大幅に抑えられるメリットがあります。しかし、信用情報機関に事故情報が登録されるため、その後の生活にはいくつかの影響が出てきます。

ここでは、任意整理後の生活がどのように変化するのか、クレジットカードやローン、携帯電話などへの影響と対処法について詳しく解説します。

任意整理後は信用情報機関に最長5年間の事故情報が登録される

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。これは俗に「ブラックリストに載る」と言われる状態です。

事故情報の登録期間は、債務の完済から約5年間と考えられています。ただし、任意整理の対象となった金融機関によって、情報が登録される信用情報機関は異なります。

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信用情報機関の一覧

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー):主にクレジットカード会社が加盟
  • JICC(株式会社日本信用情報機構):主に消費者金融が加盟
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター):主に銀行、信用金庫などが加盟

事故情報の登録期間中は、以下のようなことに影響が出る可能性が高いです。

  • クレジットカードの新規作成・利用
  • 住宅ローン・自動車ローンの新規契約
  • 携帯電話・スマートフォンの分割払いでの購入
  • 賃貸住宅の新規契約
  • 銀行や消費者金融からの新規借入れ

クレジットカードは新規発行できず、既存のカードも使用停止になることが多い

任意整理の対象となったクレジットカードは強制解約となり、対象外のカードも審査により利用停止となるケースが多いです。

また、事故情報の登録期間中は新たなクレジットカードの作成もできません。カード会社の審査時に信用情報機関の情報が参照されるためです。

登録期間中にクレジットカード機能の代用となる手段としては、以下のようなものが考えられます。

  • デビットカード
  • プリペイドカード
  • スマホ決済アプリ
  • 家族カード(家族名義のクレジットカード)

ただし、これらのチャージ用口座をクレジットカード払いにしている場合は、支払い方法の変更が必要です。

住宅ローン・自動車ローンの新規契約はブラックリスト期間中は不可能

住宅ローンや自動車ローンは、事故情報の登録期間中は新たに組むことができません。審査時に信用情報の照会が行われるためです。

ただし、任意整理の対象外とした住宅ローンや自動車ローンは、返済を続ける限り特に影響はありません。

新規契約ができない代替手段としては、以下のような方法が考えられます。

【住宅ローン】

  • 頭金を貯めて中古物件を現金一括で購入する
  • 家族名義でローンを組む

【自動車ローン】

  • 頭金を貯めて中古車を現金一括で購入する
  • レンタカーを利用する
  • 家族名義でローンを組む

携帯・スマホは分割払いでの購入が難しくなる

携帯電話・スマートフォンの分割払いは、信用情報機関の審査が入るためブラックリスト期間中は難しくなります。

ただし、携帯・スマホの契約自体には制限はありません。端末を一括払いで購入するか、機種変更で古い端末を下取りに出せば問題ありません。

どうしても分割払いが必要な場合は、家族名義で契約することで審査に通る可能性があります。

賃貸住宅の契約は保証会社の審査次第

任意整理後も、家賃の支払いに問題がなければ現在の賃貸住宅から追い出されることはありません。

ただし、新たに賃貸住宅を借りる際、保証会社の審査が必要になることがあります。保証会社が信販系の場合、信用情報の照会により審査に通らない可能性があるのです。

信販系の保証会社を避け、保証人を立てられる物件を選ぶとよいでしょう。UR賃貸や公営住宅なども審査が通りやすいと言われています。

銀行や消費者金融からの新規借入れは完済から5年以内は不可能

事故情報の登録期間中は、銀行カードローンを含む新たな借入れはできません。審査時に信用情報機関のデータが参照されるためです。

また、いわゆる「社内ブラック」の情報は半永久的に残るため、任意整理の対象にした金融機関からの借入れは完済から5年以上経過しても難しいと考えられます。

結婚・就職・進学・保険加入への影響は限定的

任意整理は、結婚・就職・進学に対して直接的な影響を及ぼすことはほとんどありません。

ただし、住宅ローンが組めないことが結婚の障害になったり、奨学金の連帯保証人になれないことが進学に影響したりする可能性はゼロではありません。

一方、保険加入に関しては、任意整理による制限は一切ありません。引き落とし口座の変更は必要になるかもしれませんが、契約自体に問題はないでしょう。

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任意整理後の返済が難しくなったらどうする?

任意整理後、万が一返済が難しくなった場合の対処法としては、以下のようなものが考えられます。

  • 遅れないうちに返済ペースを立て直す
  • 債権者と再度和解交渉を行う
  • 追加の債務整理(個人再生・自己破産など)を検討する

支払いを2ヶ月以上滞納すると、一括返済を求められたり、差押えのリスクが出てきたりします。返済に行き詰まったらバックれることなく、すぐに担当している弁護士や司法書士に相談しましょう。

まとめ

任意整理は借金の大幅な減額によって生活再建のチャンスをつかめる反面、信用情報の問題から様々な影響が出てきます。

ブラックリストの登録期間中は、クレジットカードの利用やローンの組み直し、携帯電話の分割払いなどができなくなるのが一般的です。

ただし、これらには家族名義での契約など一定の対処法があります。また、結婚・就職・進学への影響は限定的と言えるでしょう。

任意整理後の生活や返済について不安があれば、まずは弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。

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